
創価学会の脱会について、「行政書士などに依頼せず、自分で手続きを進めることはできるのか」と考える方もいるでしょう。創価学会の公開会則では、会員は所定の入会手続を経て会員名簿に登録され、退会または除名によって会員としての地位を失うと定められています。一方、公開会則の該当部分には、退会時に使用する書式や提出先などの詳細な手順までは記載されていません。自分で進める場合は、本人の意思を明確にし、通知先や送付方法を確認しながら記録を残すことが基本になります。
自分で脱会を進める前に確認したいこと
最初に行いたいのは、脱会通知の文章を書き始めることではなく、現在分かっている情報を整理することです。特に次の3点を確認しておくと、後の手続を進めやすくなります。
| 確認事項 | 確認する理由 |
|---|---|
| 本人が脱会を希望していること | 脱会は本人の信仰・意思に関わるため、家族など第三者だけの判断で進めない |
| 把握している所属先・関係先 | 本部への通知と所属先への通知を混同せず、どこへ何を伝えるか整理するため |
| 脱会後に希望すること | 連絡・訪問、新聞、物品、個人情報など、脱会とは別に確認が必要な事項を整理するため |
創価学会の公開会則第73条では、所定の入会手続を経て会員名簿に登録することで会員になるとされ、第75条では、退会または除名によって会員としての地位を失うとされています。
また、日本国憲法第20条は信教の自由を保障しています。政府の国会答弁では、信教の自由には、何らかの宗教を信仰する自由だけでなく、信仰しない自由も含まれるとの一般的な理解が示されています。ただし、この原則と、特定団体の具体的な事務手続は分けて考える必要があります。
自分で進める場合の基本的な流れ
1.脱会の意思を自分の中で明確にする
まず、「活動を一時的に休みたい」のか、「会員としての関係を終了したい」のかを区別します。脱会を希望する場合には、その意思が相手に誤解なく伝わる状態にすることが重要です。
2.通知先を確認する
本部へ通知するのか、把握している所属先にも通知するのかは、これまでの経緯や希望によって異なります。会館の所在地と、脱会通知を送るべき宛先が当然に同じとは限りません。インターネット上の古い住所や第三者サイトだけで判断せず、送付前に公式情報を確認してください。
3.脱会の意思を書面に整理する
書面には、少なくとも誰からの通知であるか、脱会する意思があること、必要に応じて今後希望する対応などを整理します。既存の書式をそのまま使わなければならないと決めつける必要はありません。
一方、本人の意思が曖昧になるほど長い経緯説明を加えたり、確認できない事実を断定したりする必要もありません。脱会通知は宗教団体を批判するための書面ではなく、本人の意思を伝えるための書面として整理することが大切です。
4.送付し、控えを保存する
後から「何を、いつ送ったのか」を確認できるように、通知書の控えや郵便の記録を保存します。記録性を重視する場合には内容証明や配達証明を検討する方法もありますが、内容証明は書かれている事実が真実であることを証明する制度ではありません。
5.脱会後に必要な事項を個別に確認する
通知を送った後は、新聞、物品、連絡・訪問、個人情報などについて、必要に応じてそれぞれ確認します。脱会という一つの意思表示だけですべての事項が自動的に処理されると考えないことが重要です。
家族が代わりに脱会手続をしてもよいのか
成人本人の脱会については、原則として本人の意思を確認したうえで進めるべきです。家族が書類作成や郵送を手伝うこと自体と、本人の意思を確認せず家族だけで脱会を決めることは異なります。
特に、家族間で信仰について意見が異なる場合には、本人の考えを尊重する必要があります。「家族が望んでいるから本人も脱会したものとして扱う」といった進め方は避け、誰の意思による手続なのかが分かるようにしておくことが大切です。
一方、本人が高齢である、書面作成が難しいなど、事情によって家族の補助が必要な場合もあります。その場合でも、可能な範囲で本人の意思を確認し、本人のための補助と、第三者による一方的な決定を区別して考えます。
脱会と分けて確認したい4つの事項
| 事項 | 確認のポイント |
|---|---|
| 連絡・訪問 | 今後の連絡や訪問を望まない場合は、その希望を明確に伝える |
| 新聞等 | 脱会とは別に配送・購読に関する手続が必要かを確認する |
| 御本尊・物品 | 返還を希望する場合は、通知書への同封ではなく適切な返還方法を確認する |
| 個人情報 | 必要に応じて、団体が公表している個人情報に関する窓口・方針を確認する |
創価学会公式サイトでは、個人情報の取扱いについて独自の方針を公表し、保有個人データの開示、訂正・追加・削除、利用・第三者提供の停止・消去に関する申出についての考え方や、個人情報に関する問い合わせ窓口を案内しています。ただし、宗教団体が本来の宗教活動のために個人情報を取り扱う場合には個人情報保護法上の適用関係に特則があるため、「脱会すれば法律上必ずすべての情報が直ちに削除される」と一律に断定することは適切ではありません。
脱会後も連絡や訪問が続く場合
脱会の通知後に望まない連絡や訪問があった場合は、まず感情的なやり取りを続けるより、日時、方法、相手が名乗った内容、やり取りの概要などを記録しておくと状況を整理しやすくなります。
再度、連絡や訪問を望まない意思を文書で伝える方法もあります。ただし、行政書士による書面作成と、相手との紛争について代理交渉を行うことは同じではありません。
暴力、脅迫、危険を感じる訪問など、生命・身体の安全に関わる事情がある場合は、脱会手続や書面作成を優先せず警察へ相談してください。警察庁は、事件・事故など緊急の場合は110番、緊急ではない生活安全上の相談については最寄りの警察署または警察相談専用電話「#9110」を案内しています。
よくある質問
創価学会の脱会は自分だけで進められますか?
本人が自分で意思を伝え、必要な書面を作成して送付することは可能です。ただし、公開会則には退会時の詳細な書式や提出方法までは示されていないため、通知先や現在の公式情報を確認しながら進めることが重要です。
決まった脱会届の書式を使わなければなりませんか?
創価学会の公開会則第75条には退会による会員資格の喪失が記載されていますが、同条には特定の脱会届様式までは記載されていません。インターネット上にある非公式な書式を公式様式だと決めつけないよう注意してください。
家族だけで本人を脱会させることはできますか?
本人の信仰や脱会は本人の意思に関わる問題です。成人本人の意思を確認せず、家族だけの判断で本人が脱会を希望しているものとして手続きを進めることは避けるべきです。
脱会通知を送れば新聞も自動的に止まりますか?
脱会と新聞等の配送・購読に関する処理は分けて確認するのが安全です。脱会通知を送ったことだけを理由に、すべての関連手続が自動的に完了すると決めつけないようにしてください。
脱会後に個人情報を削除してもらえますか?
創価学会は公式サイトで個人情報の取扱方針と申出窓口を公表しています。一方、宗教団体による本来の活動目的での個人情報取扱いには法令上の適用関係もあるため、すべての情報について必ず削除されると一律に断定することはできません。希望がある場合は具体的な内容を整理して申し出ることになります。